ドリアンはマレー半島原産のフルーツ。ドリ(duri)はマレー語で「とげ」の意味。
名詞形を作る接尾語のアン(an)が付いて、直訳すると「とげがあるもの」。
ドリアンの木は高さ10~30メートルほどで、実は木の上部に付き、
熟れるとココナッツと同様自然に落下してきます。
「果物の王様(king of fruit)」と呼ばれるドリアンですが、
一説によると精が付く果物として王様が好んで食した、
あるいは美味しいけれど嫌いな人も多いことから、
「王様の果物(fruit for king)」という呼び方もあるようです。
マレーシア人、特に中国系の人達がよく言うのが、
ドリアンはとても”heaty”で、食べると体が熱くなるということ。
バランスを取るために、体を冷やす果物を一緒に食べます。
おすすめは「果物の女王」と言われるマンゴスチン。
ココナッツジュースも体の熱を取るのに良いそうです。
ドリアンにまつわる話で有名なのは「ドリアンとお酒を一緒に摂ると死に至る」というもの。
東南アジアの広い範囲でこの話は信じられていますが、科学的根拠は無いようです。
実際にハツカネズミにドリアンとアルコールを与えるという実験を行った科学者が、1969年に医学専門誌『シンガポール・メディカル・ジャーナル』に論文発表し、「まったくの迷信」と結論付けています。
それでも、40年経った今もなおこの話がまことしやかに語り継がれているのは、
ドリアンを食べ過ぎた時にお腹にガスが溜まったような膨まん感や、
強烈なにおいのげっぷに悩まされた経験を持つ人が多いからかもしれません。
ドリアンを食べた後に指に残った匂いを取るには、
ドリアンの殻に水を入れて洗うと良いと言われていますが、
これは本当に効果があるようです。
塩をひとつまみ入れると更に効果的とのこと。
そのための塩を用意しているお店もあります。
手を洗う際にドリアンの種を持って石鹸を泡立てると良い、
という話もありますが、これに関しては意見が分かれるようです。
美味しいドリアンの食べ頃、シーズンには臨時の露店も多数出ます。
ドリアンの旬は通常6月~7月と12月頃。シーズンの初めは値段も高めですが、
あちこちでドリアンがずらりと並ぶ光景が見られるころには値段もこなれてきます。
3回、あるいは5回食べなければ、
その本当の美味しさがわからないと言われるドリアン。
マレー半島ならではの味に一度はトライしてみてはいかがですか。